ブログ家づくり学
2025/01/27
土地購入の注意点は?成功させるためのポイントとあわせて解説

土地購入は、家や資産の将来を左右する大きな決断です。理想の場所や広さが見つかっても、法的手続きや周辺環境、地盤の強さなどをしっかり確認しなければ、思わぬトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。
そこで本記事では、土地購入の際に押さえておきたい基本的な注意点を解説し、成功させるための重要なポイントについて詳しくご紹介します。安心して土地購入をするための情報を理解して、理想の土地選びの参考にしてください。
土地購入の注意点
土地購入は、夢のマイホームや事業を成功させるための重要なステップですが、慎重に行わなければ「失敗した」と後悔することもあります。
とくに、土地の性質や法的条件を理解していないと、建築や生活に大きな支障が出ることもあるので注意が必要です。ここでは、土地購入時に注意すべきポイントについて詳しく解説します。
用途地域
用途地域とは、土地がどのように利用されるかを制限する区域のことです。これは建物の建築許可に大きく影響し、住宅を建てる場合だけでなく、店舗兼住宅を検討している場合にはとくに重要です。
たとえば、商業地域では住宅の建築が許可されますが、工業専用地域では制限されます。用途地域を確認せずに土地を購入してしまうと、あとで建築が許可されず計画が頓挫することもあります
また、用途地域によって建ぺい率と容積率の比率が変わるため、その土地に建てられる住宅の大きさも変わります。
事前に地元の自治体で用途地域を確認し、希望する建物が建てられるかどうかをしっかりチェックしましょう。
道路との位置関係
建築基準法では、土地と道路の関係が厳しく規定されています。これを「接道義務」といい、家を建てるためには、土地が一定の幅の道路に面している必要があります。
土地がある地域によっても定めが異なりますが、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していないと、建築が許可されない場合があります。
この基準を満たしていない土地を購入してしまうと、あとから建築許可が下りず、建物を建てられないという事態に陥ることがあるため注意が必要です。購入前には、土地がどの程度道路に接しているか、接道義務を満たしているかを必ず確認しましょう。
地盤の強さ
土地の地盤の強さは、建物の安全性に直結します。地盤が軟弱な場合、建物が傾いたり、沈下したりするリスクが高まります。そのため、地盤がどの程度強いかを確認することは非常に重要です。
軟弱な地盤では、建物を建てる前に地盤改良工事が必要になり、これにより予想外の費用が発生することがあります。地盤の固さは、見ただけでは分からないことが多いため、ハザードマップや地盤サポートマップを活用してリスクを事前に確認しましょう。
また、必要に応じて専門の調査会社に依頼し、詳しい地盤調査を行うことをおすすめします。
土地の高低差
土地の高低差も、購入時に注意すべき重要なポイントです。周辺より低い土地は、豪雨や洪水時に浸水のリスクが高くなるため、とくに注意が必要です。
見た目は平坦に見える土地でもわずかな傾斜があることがあり、その場合、雨水が集中して浸水する可能性があります。
また、土地に大きな高低差がある場合「盛土」や「擁壁」といった工事が必要になることがあります。これらの造成工事には大きな費用がかかり、予算を大幅にオーバーする可能性もあるため、事前に確認しておくことが重要です。
とくに、大規模な造成工事が必要な土地は建築費用だけでなく、土地造成費用も予算に含めて計画を立てる必要があります。
隣地との境界線
土地購入の際、隣地との境界線が曖昧だと、後々トラブルに発展することがあります。まず、境界線が目視で確認できるかが重要ですが、それだけで安心せずに境界杭が設置されているかも確認しましょう。
境界杭は土地の正式な境界を示すもので、双方が納得したうえで設置される重要な目印となります。もし境界杭がない場合は、売主に確定測量を依頼し、境界を明確にしてもらうのが一般的です。
しかし、測量時に隣地所有者と売主が意見の相違から揉めるケースもあり、その結果、険悪な関係のまま土地を引き渡されることがあります。こうした事態を避けるためにも、最初から境界線と境界杭が明確になっている土地を選ぶことが賢明です。
インフラ設備の状況
土地を購入した後にすぐ生活を始めるためには、上下水道、電気、ガス、通信などのインフラが整っていることが必要です。これらの設備は当然のように整っていると考えられやすいですが、場所によってはまだ設備が整備されていないこともあります。
とくに、新たにインフラを引いてくる必要がある場合、その費用は購入者が負担しなければなりません。
また、ガスに関しては都市ガスとプロパンガスの違いも確認が必要です。都市ガスはランニングコストが安く、プロパンガスは初期費用が安い代わりに月々の費用が高くなる傾向があります。
インフラ設備の整った土地を選ぶことで、追加される余分な出費を抑え、長期的には生活費を軽減できるため、購入前にインフラの状況を確認することが重要です。
周辺環境
土地そのものだけでなく、周辺環境も慎重に確認する必要があります。土地を見に行くとき、多くの人はその場所の直近だけを確認する傾向にありますが、少なくとも3ブロック先までの環境をチェックしましょう。
近くに工場や騒音の原因となる施設がないか、夜間の治安や明るさ、通行人の状況も把握することが大切です。
また、見学する際には土日祝日に訪れることが多いため、平日の様子も確認しておくことが重要です。たとえば、平日になると周囲が通学路や通勤路になり、予想外に騒がしくなることも考えられます。
土地購入前には、昼夜や平日、休日の違いを確認し、長く住むことを考えた上で周辺環境をチェックしましょう。
土地代以外の費用
土地購入にかかる費用は、土地代だけではありません。土地を取得するためには、仲介手数料や登記費用、測量費用、税金などさまざまな追加費用が発生します。
具体的には、土地の測量費用や境界杭を設置する費用がかかる場合もあるため、これらを見落とさないようにしましょう。また、購入後の地盤改良費用やインフラ整備費用も予算に含めて考える必要があります。
さらに、固定資産税や都市計画税などの税金も毎年かかるため、長期的なコストを計算しておくことが大切です。細かな費用を把握しないまま土地を購入すると、後から予算オーバーに苦しむ可能性があります。
このように土地購入の際は、法的条件や地盤、周辺環境をしっかり確認することが重要です。これらを怠ると、後悔することになるかもしれません。
隣地との境界線やインフラ設備の状況、さらに昼夜や平日と休日の周辺環境の変化にも十分な注意が必要です。こうした点をきちんと確認することで、住み始めてからのトラブルを避けられます。
土地購入を成功させるには
土地購入を成功させるためには、計画的に準備を進め、最適な土地を見つけるためのポイントを押さえることが大切です。以下では、具体的なステップを解説しながら、失敗を避けるための方法を紹介します。
相場を確認する
まず、土地を購入する際にもっとも重要なのが、相場を確認することです。相場を把握することで、明らかに高すぎる土地を選んでしまうリスクを避けられます。
また、相場よりも極端に安い土地を見つけた場合、なぜ安いのかを慎重に調査することが必要です。価格が安い理由として、周辺のインフラが未整備であったり、地盤が弱かったりするなどの問題が隠れていることがあります。
土地の価格だけで判断せず、相場に基づいた適正な価格かどうかを確認することで、後悔のない購入が可能となります。不動産会社やインターネットの情報を利用し、エリアごとの相場をしっかり把握しておきましょう。
譲れない条件の優先順位を決める
土地探しを効率的に進めるためには、家族や自分の希望する条件を整理し、優先順位を決めることが重要です。どの条件が絶対に譲れないかをはっきりさせることで、理想の土地を見つけやすくなります。
たとえば、駅からの距離や通勤通学時間、近くに病院やスーパーがあるかどうか、子育てに適した環境かといった要素に優先順位をつけましょう。
すべての条件を満たす土地は見つかりにくいので、何を重視し、何を妥協できるかを明確にしておくことで、予算内で最適な土地を選びやすくなります。
実際に現場へ足を運ぶ
土地の現地見学は必ず複数回、足を運びましょう。できれば時間帯や曜日を変えて訪れることで、周辺環境の違いに気付けます。
たとえば、昼間は静かで落ち着いたエリアでも、夜間や週末になると騒音が増えたり、治安が悪くなったりすることがあります。また、交通量や日当たりなども異なる時間帯によって大きく変わる場合があるでしょう。
さらに、雨の日に訪れて水はけの状況を確認することも、洪水や浸水のリスクを避けるために重要です。現場での詳細な観察は、写真や情報だけでは分からない土地の真の状態を把握するのに役立ちます。
専門家に相談する
土地購入は一生に幾度とない大きな決断であり、専門的な知識が求められる場面が多いです。信頼できる不動産会社に相談することで、地域の相場や土地の特性に関する詳細な情報を得られます。
また、法律面や契約に関する手続きもサポートしてもらえるため、初めての土地購入でも安心して進められます。購入前にはしっかりとしたアドバイスを受け、最適な判断を下せるようにしましょう。
こちらの記事では、建ぺい率と容積率について解説しています。用途地域の区分や緩和条件も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
土地購入の際は、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。まず、周辺環境や交通の利便性を確認し、生活の利便性に影響がないかを確認しましょう。また、土地の法的な制約や用途地域を事前に調べておくことが重要です。
自分たちが希望する家が建てられるかどうかをしっかりと確認し、住み始めた後の利便性についても考慮しましょう。さらに、地盤の強度や水害のリスクも事前にチェックし、安心して家を建てられる土地かを見極めることが必要です。
これらのポイントを押さえ、理想の家づくりを成功させるためには、信頼できるパートナーの選定が欠かせません。
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