ドイツでは地震がないためか、
古い建物も多く、レンガ造りの家が多く見られました。
コンクリートを使った家も多く、
コンクリートで作った建物を木で覆うような造りには衝撃すらありました。
こんな建築を見て、疑問も湧きました。
ドイツはエコロジーの意識が高いために、
長持ちするコンクリートで造っているはずです。
しかしながら、エコロジーを優先するあまり、
外壁のタイルやレンガを維持・修繕する費用などを含めると、
トータルコストでは日本の家づくりより高くなってしまうのではないか?
修繕には結局エネルギーも必要ではないか?
長く使えるエコももちろん大切ですが、
家計の負担が少ないエコを平松建築では目指したいと思いました。
特にベルリンは賃貸が多く、間取りはシンプルで、
造作家具もほとんど見られないものばかりでした。
長く使われることを考えれば、置き家具にして、
入居した人の好みに合わせて変える。
これもスケルトンインフィルの考え方なのかもしれませんね。
古い家はリフォームされており、断熱の工法は外断熱が主流でした。
コンクリートの家を厚さ30㎝ほどにもなる断熱材で覆います。
内断熱にすると30cmの壁で室内が狭くなってしまうからでしょう。
日本なら木造にしそうな中規模の建物もドイツではコンクリートで造られていました。
もしかしたら、日本の耐震性能や木造の技術力は、世界にも誇れるものかもしれません。
今回は、ドイツと日本の気候の違いからの家づくりの違いです。
ドイツはどの家にも地下室がありました。
降水量が少なく湿度が低いからでしょうか、
洗濯物はこの地下室に干すスタイルが多いようで、
生活感を表に出さない美しい街並みでした。
日本では地下室に洗濯物はカビが心配でなかなか難しいですよね。
また、ドイツには蚊を含め虫があまりいないため、
窓には網戸がなく、夜のオープンカフェでも光に集まるたくさんの虫に
悩まされることもないそうです。ちょっと羨ましいですね…。
日本には、地震があり・四季があり・湿気があり、
さらに東海大地震に備えなければならない静岡の家づくりは、
世界一難しい家づくりをしているのかもしれません。
今回のドイツ訪問で、ドイツと日本の違い、
ドイツの家に対する意識、たくさんのことを学び、
感じることができました。日本も技術力は優れています。
固定観念に縛られず柔軟に考え、ドイツだけでなく、
世界中の家づくりの良いところをどんどん融合して、
「世界最高の家」をつくりたい!と思います。
家づくりを見るためのドイツ旅行中、
ホームセンターにも立ち寄りました。
行ってみると、その品揃えに驚きました。
ドイツの人々には家の手入れ自分でするものという
DIY(Do It Yourself)の精神が根付いているのです。
少しくらいの補修や修理なら自分たちでやり、
家を長く大切に受け継ぎながら住む習慣があります。
花壇に柵を作ったり、
欲しいサイズにぴったりの本棚を作ったり、簡単な製作も出来てしまいます。
そのためホームセンターには様々な材料が豊富に揃っていました。
自分でやることは、コストを抑えられるだけでなく、
欲しいサイズや色など自分の好み通りに作る事ができます。
また、使う物の材料選びも自ら行い、
手にとって原材料を見ることができるため、
安全な材料にこだわって作ることができます。
ペンキ一つでも、自然素材を使ったものもあれば、
シックハウス症候群の原因になる物質が含まれているペンキもあります。
家族の食事を作るとき材料にこだわるように、
家の材料にもこだわりたいですよね。
自分で少しやってみるだけで色んなメリットが得られるDIYを、
ドイツのように日本でも身近に感じてもらいたいと思いました。
皆さんへのきっかけ作りとして、
平松建築で始めたい取り組みについては今後ご紹介します。