新築の火災保険はどう選ぶ?台風・水災・地震の備え5つ
こんにちは!平松建築株式会社です。
火災保険は、住宅ローンとセットで提案されることが多い商品です。内容を細かく比べる時間もないまま契約し、そのまま何年も経っているという方も少なくありません。
できるだけ安く入りたいという気持ちは当然ですが、安さだけで選ぶと、いざというときに保険金が足りない、そもそも対象外だったという事態になりかねません。今回は火災保険を選ぶときに確認したい5つのポイントと、契約時に見落としやすい注意点を整理します。
【この記事で分かること】
・火災保険と地震保険の構造と、補償の範囲
・「新価」と「時価」の違いが招く、深刻な差額
・風災・水災・家財・地震保険をどう判断するか
結論
火災保険で最も重要なのは、建て直せる金額が出る契約になっているかどうか。「新価」を選び、風災は外さない。
水災は立地で判断し、地震保険は火災保険金額の30〜50%が上限であることを前提に不足分の備えを考えます。
【動画で確認したい人はこちら】
火災保険と地震保険は別のもの
まず全体の構造を整理します。
住宅の災害への備えは、大きく火災保険と地震保険に分かれます。火災保険には風災・水災・家財といったオプションがあり、どこまで付けるかを選ぶかたちです。
地震保険は火災保険とは別枠で、火災保険に付帯して加入します。
火災保険の基本的な役割は、火災で燃えた建物を建て直すための費用を確保することです。地震を原因とする火災は火災保険の対象外となり、地震保険の範囲になります。
この線引きを知らないまま、火災保険に入っているから大丈夫と考えてしまうケースが少なくありません。
なお、火災保険の保険期間は現在最長5年です。それ以上長い契約はできないため、更新のタイミングで補償内容を見直せるという利点もあります。
新築の火災保険で確認したい5つのポイント
1. 「新価」か「時価」か
最初に確認すべき、最も差が出る項目です。
新価は再調達価額とも呼ばれ、同じ建物を建て直すのに必要な金額が支払われる契約です。3,000万円で契約していれば、何年後に燃えても3,000万円が基準になります。
一方、時価は建物の価値が減った分を差し引いて支払われます。3,000万円で契約していても、20年後に燃えた時点の建物価値が500万円しかなければ、受け取れるのは500万円ということになります。
当然、この金額では建て直せません。
現在は新価が主流ですが、とにかく保険料を安く見せようとすると時価が選ばれることもあります。内容を理解していれば時価を選ぶ方はほとんどいないはずの項目です。
契約書のどちらになっているかは必ず確認してください。
2. 風災は外さない
風災は、外せるオプションとして扱われる商品もあります。保険料を抑えたい気持ちから外してしまう方がいますが、これはおすすめできません。
理由は単純で、発生する確率が圧倒的に高いためです。日本に風災のリスクがない地域はありません。
台風は毎年やってきます。
実際にあった事例として、台風で屋根が丸ごと飛び、数十メートル離れた家に落下したというケースがあります。屋根が全面的に失われれば、直すための費用は決して小さくありません。
しかも災害は突然起こるものです。急な出費として現金を用意できる方は少ないでしょう。
風災は付けておく。これは立地に関係なく共通の判断になります。
3. 水災は立地で判断する
水災は、床上浸水などの被害に備えるオプションです。浸水すると床をすべてめくり、断熱材を取り替えることになるため、復旧の規模が大きくなります。
一方で保険料は風災より高くなる傾向があるため、立地によって判断が分かれます。注意したいのは次のような場所です。
・周囲より低い土地に建てる場合 ・比較的小さめの河川の近く ・二つの川が合流する地点の近く
大きな河川は堤防などの整備が進んでいることが多く、かえって小さめの河川の近くのほうがリスクが高いこともあります。ハザードマップで自分の敷地を確認するのが確実です。
水災リスクのない土地に建てましょうという意見もありますが、現実には土地の選択肢は限られます。リスクがあることを理解したうえで保険で備え、いざというときに対応できる状態にしておく。
これが現実的な考え方です。
4. 家財保険は費用と効果で判断する
家財保険は、建物ではなく中にあるものを対象とする保険です。家電製品やパソコンなども対象になります。
災害で被害を受けたとき、入っていてよかったという声が多い項目です。ただし付ければ保険料は上がります。
手持ちの家財の総額と、支払う保険料を見比べて判断するのが妥当なところです。
5. 地震保険は火災保険金額の30〜50%が上限
地震保険には、火災保険とは異なる大きな制約があります。建物の保険金額を全額かけることができないのです。
地震保険の保険金額は、火災保険金額の30〜50%の範囲内で設定します。上限額も定められています。
つまり3,000万円の建物に対して地震保険を掛けても、受け取れるのは最大でも1,500万円ということになります。残りは自己資金や別の特約で備える必要があります。
そもそも倒れない家を建てればよい、という考え方はもちろん正しいです。私たちも耐震等級3を前提に、許容応力度計算を行って家を建てています。
ただし地震保険が必要な理由はもうひとつあります。
地震を原因とする火災は、火災保険では補償されないという点です。通常の火事なら火災保険で対応できますが、地震で何かが倒れて火が出た場合は対象になりません。
住宅が密集した地域では、どこかで火が出て燃え移るリスクもあります。倒れない家を建てることと、地震保険に入ることは別の話です。
なお、加入するかどうかは実際に分かれるところで、地震リスクが高いと言われる静岡県でも入る方と入らない方の両方がいます。何でもかんでも付ければ保険料が家計の負担になるため、自分にとって最大のリスクは何かを見極めて整理することが大切です。
契約時に見落としやすい2つの注意点
補償内容を整えたら終わり、ではありません。保険は「いざというときに保険金が出ること」が目的です。
ここに関わる注意点が2つあります。
誰から入るか
同じ商品でも、担当者によって結果が変わることがあります。
保険金は、事故が起きたら自動的に支払われるものではありません。今回の事例はこういう理由なのでこの補償の対象になる、という説明を保険会社に対して行う必要があります。
この交渉に慣れているかどうかで、対応の質が変わってきます。
判断材料になるのは、保険の提案実績です。契約金額の大きい代理店や担当者は、保険会社に対して一定の影響力を持ちます。
年間の契約件数を目安に聞いてみるのもよいでしょう。あわせて、丁寧に対応する姿勢があるかどうかも大切です。
台風で外壁に傷がついたとき、申請書類をきちんと作ってくれるかどうかで結果は変わります。
窓口によって知見に差があるという点も知っておいてください。住宅ローンと火災保険をセットで提案されることは多いのですが、提案する側が保険に詳しいかどうかは別問題です。
住宅会社のアフター体制
もうひとつは、家を建てた住宅会社の姿勢です。
引き渡して終わりではなく、メンテナンスや不具合にきちんと対応する会社は、災害が起きたときにも動ける体制が整っています。逆に、普段から対応が遅い会社が災害時だけ迅速に動くことは考えにくいでしょう。
保険の担当者と住宅会社のアフター体制、両方が整っているのが理想です。少なくともどちらか一方はしっかりしているところを選んでおきたいところです。
アフター体制を見極める方法としては、口コミや実際の対応事例を聞いてみることが挙げられます。具体的なエピソードが出てくれば、対応している証拠になります。
ホームページや営業の説明では見えにくい部分なので、その会社で建てた知り合いがいれば直接聞くのが最も確実です。
まとめ
新築の火災保険で確認したい5つのポイントは次のとおりです。
・「新価」か「時価」か。時価だと建て直せない金額しか出ない ・風災は外さない。
発生確率が最も高い ・水災は立地で判断する。低地・小さめの河川・川の合流地点は注意 ・家財保険は手持ちの家財と保険料を見比べて判断する ・地震保険は火災保険金額の30〜50%が上限。
地震が原因の火災は火災保険では出ない
そして、契約時には「誰から入るか」と「住宅会社のアフター体制」を確認してください。
保険で大切なのは、まず自分の家にどんなリスクがあるかを把握すること。次に、そのリスクに対してどれだけの保証が欲しいかを決めること。
必要のない補償に入っても保険料が重くなるだけですし、必要な補償を外せばいざというときに対応できません。整理して、必要なものに絞って備えるという考え方が結果的にいちばん安くなります。
家づくりと合わせて保険や災害への備えを相談したい方は、ぜひ公式LINEからお気軽にご相談ください。

よくある質問
Q. 火災保険の「新価」と「時価」はどちらを選ぶべきですか?
新価(再調達価額)です。新価は同じ建物を建て直すのに必要な金額が基準になりますが、時価は建物の価値が減った分を差し引かれます。
3,000万円で契約していても、20年後の建物価値が500万円なら受け取れるのは500万円で、建て直せません。現在は新価が主流ですが、契約書でどちらになっているか必ず確認してください。
Q. 風災や水災のオプションは付けたほうがよいですか?
風災は付けることをおすすめします。台風は毎年発生し、日本に風災リスクのない地域はないためです。
水災は立地で判断します。周囲より低い土地、比較的小さめの河川の近く、川が合流する地点の近くはリスクが高いため、ハザードマップで自分の敷地を確認してから決めてください。
Q. 地震保険は建物の全額をかけられますか?
かけられません。地震保険の保険金額は火災保険金額の30〜50%の範囲内で設定し、上限額も定められています。
3,000万円の建物なら最大でも1,500万円程度が目安で、残りは自己資金や別の特約で備える必要があります。加入前に補償額の上限を確認しておきましょう。
Q. 地震が原因の火事は火災保険で補償されますか?
補償されません。地震を原因とする火災は火災保険の対象外で、地震保険の範囲になります。
通常の火事であれば火災保険で対応できますが、地震で何かが倒れて火が出た場合は別扱いです。住宅が密集した地域では燃え移るリスクもあるため、耐震性能とは別に検討が必要です。
Q. 火災保険はどこから入るのがよいですか?
保険の提案実績が多く、対応が丁寧な担当者から入るのがおすすめです。保険金は自動的に支払われるものではなく、状況を保険会社に説明する必要があるため、交渉や書類作成に慣れているかどうかで結果が変わります。
あわせて、家を建てた住宅会社のアフター体制が整っているかも確認しておきましょう。
監修:平松明展(職人社長/平松建築 代表)|浜松市・磐田市・袋井市・掛川市・東京都・関東一部で、耐震等級3・断熱等級7・高気密・WB工法の家づくり。
LINE追加して限定特典を受け取る