Column

  • 家づくり学
2026/08/19

プロがもう一度家を建てるならやらないこと10選

こんにちは!平松建築株式会社です。

家づくりのプロでも、自宅では後悔があります。むしろ20年以上家づくりに携わり、大工・設計・資金計画まで見てきたからこそ、「次に建てるなら絶対にやらない」と言い切れることがあります。

今回は、その経験から導かれた「やらないこと」を10個ご紹介します。これから家を建てる方は、同じ後悔を繰り返さないためのチェックリストとして使ってください。

【この記事で分かること】

・プロが「次はやらない」と断言する家づくりの落とし穴10個

・外構・断熱・収納・間取りの正しい優先順位

・「売ることを考える」という資産価値の視点

結論

共通するキーワードは「後回しにしない」と「固定しすぎない」。外構と断熱は後からでは取り返しがつかず、造作家具と細かい間仕切りは暮らしの変化に対応できなくなります。

そして家は、次に住む人も欲しくなるかという資産価値の視点で考えること。この2つの軸で見直すと、後悔の大半は防げます。

【動画で確認したい人はこちら】

プロがもう一度建てるならやらないこと10選

1. 外構計画を後回しにする

外構の予算は建物の1割程度になることが多いのですが、重要度は1割ではありません。同じ家でも、庭とセットで計画された家と、ぽつんと建物だけが置かれた家では、暮らしの質がまるで違います。

家の工事が終わってから庭を考えると、地面の高さが合わず階段が使いにくい、水がたまりやすいといった失敗が起こります。予算の都合で一度に全部できなくても、完成形を最初に描いておき、やれる範囲から進める。

家と庭は必ず同時に計画してください。

2. 断熱性能をほどほどにする

「そこそこ暖かければいい」という判断は、あとから必ず悔やまれます。断熱等級は4が最低基準となり、5・6・7が新設され、基準は年々引き上げられる流れにあります。

かつての最高等級で建てた家が、いまや平均以下になる時代です。

家が広くても、寒くて使わない部屋があれば意味がありません。断熱がしっかりしていれば、少ないエネルギーで家全体が暖まり、家中を使い切れます。

窓・壁・床・屋根の断熱は、建てるときにやれる限りやっておく。既存の家でも、窓の断熱改修には補助制度が用意されることがあるので、活用を検討する価値があります。

3. とりあえず収納を増やす

収納は多ければ安心、ではありません。目的のない収納は結局使いこなせず、建物が大きくなった分だけ予算も上がります。

「ここに何をしまうのか」「扉は本当に必要か」を一つずつ考えて計画することが大切です。要望を明確にせず「なんとなく」で付けた収納こそが、量が足りない・使いにくいという後悔を生みます。

4. 売ることを考えない

家は、買う前に「売るとき」を考えるものです。3,000万円で建てた家が売るとき1,000万円なら、実質のコストは2,000万円。

買値と売値の差こそが本当の住居コストだからです。

「次の人も欲しくなる家か」「次の人も欲しくなる土地か」という視点を持つと、間取り・立地・性能の判断が変わってきます。何かあってもいつでも売れる家は、住宅ローンを抱えるうえでの安心材料にもなります。

自分だけでなく次に住む人にとっても魅力的な家にしておくことが、結果的に自分を守るのです。

5. 体に悪いものを採用する

毒キノコを食べる人はいませんが、家づくりでは「すぐには害が見えないもの」を知らずに採用してしまいがちです。

湿気を通しにくい内装材で家中を覆えばカビの原因になり、ダクト式の換気は掃除が行き届かないとホコリを室内へ戻すことがあります。寒い家そのものも体には悪く、換気が不十分で化学物質や二酸化炭素がこもる家も同様です。

暖かくて涼しくて空気がきれい、いるだけで居心地がいい。そんな家は精神状態まで安定させてくれて、それが良い人生につながっていきます。

6. 耐震性能をケチる

耐震等級は1が最低基準、3が最高です。等級3を選ぶことに加えて、構造計算の方法も重要です。

壁量計算などの簡易な方法ではなく、根拠を積み上げる許容応力度計算で確認すること。

さらに、同じ耐力面材でも取り付け方ひとつで強さが変わります。大工の経験から言えるのは、数字の上の等級だけでなく、施工の精度まで含めて初めて耐震性能だということです。

7. 太陽光発電をつけない

電気代が上がり続ける時代に、家計として唯一の対抗手段が「発電して買わないこと」です。どれだけ単価が上がっても、買わなければ影響を受けません。

最近は40年保証をうたう長寿命の太陽光パネルも登場しています。数十年にわたって電気代を気にせず暮らせる安心は大きく、停電時の災害対策にもなります。

日照条件が悪い地域を除けば、つけない理由を探すほうが難しい設備になってきました。

8. 蓄電池をつけない

蓄電池はかつて「投資回収に15〜20年かかり、その前に壊れるかもしれない」という理由でおすすめしにくい設備でした。しかし状況は変わりつつあります。

電気自動車用の電池技術が住宅用に転用され、過酷な走行条件で長距離を走っても劣化がわずかだったという報告が出てきています。住宅用は車よりはるかに穏やかな環境で使うため、長寿命が期待できます。

売電価格が下がり、自家消費の比率を高めるほど得になる今、予算に余裕があれば検討したい設備に変わりました。災害時の備えにもなります。

9. 間取りを細かく仕切りすぎる

細かく仕切られた間取りは、使い方が固定されてしまいます。家族構成も暮らし方も、10年経てば必ず変わります。

広くつながった空間なら、家具の置き方で仕切りを作ることも、後から用途を変えることもできます。

クセの強い迷路のような間取りは、売るときにも不利です。可変性のある開放的な間取りにしておくことが、暮らしにも資産価値にも効いてきます。

10. 造作家具をつけすぎる

造作家具は注文住宅の魅力ですが、「固定される」という宿命があります。大きなテーブルを壁に固定してしまい動かせない、小上がりの畳をなくせばもっと自由に使えたのに、といった後悔は実際によくあります。

造作は本当に必要な場所だけに絞り、あとは置き家具で対応して使い方を変えられる余白を残す。暮らしの変化に対応できる家が、長く満足できる家です。

まとめ

10個の「やらないこと」を整理します。

・後回しにしない → 外構、断熱、耐震、太陽光。あとから変えるのが難しいものほど最初に ・固定しすぎない → 収納、間仕切り、造作家具。

暮らしの変化に対応できる余白を残す ・自分だけで考えない → 次に住む人も欲しくなるか、という資産価値の視点を持つ ・体に良い家を選ぶ → 温度・湿度・空気の質は、毎日の心身の状態に直結する

家は建てた瞬間がゴールではなく、数十年の暮らしと資産価値まで含めて考えるものです。

これから家づくりを始める方、いまの計画に不安がある方は、ぜひ公式LINEからお気軽にご相談ください。

職人社長 公式LINE友だち追加

よくある質問

Q. 家づくりで最も後回しにしてはいけないものは何ですか?

外構と断熱です。外構は家の工事後に考えると高さの不整合などの失敗が起こりやすく、家と庭はセットで計画する必要があります。

断熱は住み始めてから上げるのが難しく、基準も年々引き上げられているため、建てるときにやれる限りやっておくのが正解です。

Q. 「売ることを考えて家を建てる」とはどういう意味ですか?

買値と売値の差が本当の住居コストだという考え方です。同じ3,000万円の家でも、売るときの価値が高ければ実質コストは小さくなります。

「次の人も欲しくなる家か」という視点で間取り・立地・性能を選ぶと、資産価値が保たれ、何かあってもいつでも売れるという安心にもつながります。

Q. 蓄電池はつけたほうがよいですか?

予算に余裕があれば検討する価値が高まっています。かつては投資回収前に寿命が来る懸念がありましたが、電気自動車由来の電池技術で長寿命化が進みました。

売電価格が下がった今は、発電した電気を貯めて自家消費する比率を高めるほど有利になり、災害時の備えにもなります。

Q. 造作家具はやめたほうがよいのですか?

つけすぎに注意、ということです。造作家具は空間に統一感が出る一方、固定されるため暮らしの変化に対応できません。

ダイニングテーブルの固定や小上がりの畳で後悔する例は少なくありません。本当に必要な場所だけに絞り、あとは置き家具で余白を残すのがバランスの良い選択です。


監修:平松明展(職人社長/平松建築 代表)|浜松市・磐田市・袋井市・掛川市・東京都・関東一部で、耐震等級3・断熱等級7・高気密・WB工法の家づくり。

友だち追加

LINE追加して限定特典を受け取る

その他の記事を見る